道迷いの繰り言 その続き

旧 道迷いの繰り言 移行作業のみ実施

 糸を紡ぎし者


大学に向かう道は田畑の中を通る。そこの手すりは彼らにとって格好の漁場になるようで、道端全てが集合住宅状態となっている。そのなかでも写真の種類(名前不明)は指の先くらいの大きさでよく目立つ。さて、モデルになってくれたこいつは巣作りの真っ最中。放射状に張られた縦糸をたどりながら、粘りを持つ横糸を張っている。その動作がなかなか興味深い。まず横糸を繰り出しながら、いま居る縦糸を巣の直径方向に横這いする。ある程度糸が出たら、うしろ足二本で横糸を保持しつつ次の縦糸に移動。移動後、後ろ足二本で弓を引くような感じで横糸をさらに伸ばしてピンと張り、お尻を縦糸にチョンとつけて作業終了。後ろ足で伸ばしていた横糸はゴムひものように縮んで縦糸の間にきちんと張られる。けっこう伸縮性があるらしい。

 どこかでクモの糸というのは非常に優秀な繊維材料になりうるという話を聞いたことを思い出した。まあ、そんな話。(5/25記載)