道迷いの繰り言 その続き

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 敬愛?

 ある人間Aがいる.彼もしくは彼女はその存在自体が敬うべき存在である,と我々は言う.


Aは我々の知る限り,敬うに足る何事かを為した訳ではない.敬って欲しいと自身で語ったわけでもない.ただ,そこに生きているから敬われるのだ.


まあ,敬うだけならまだましかもしれん.本人に嫌がられん範囲で,勝手に拝んでいればいい.会ってもいない,言葉を交わしたことすらない,本来ならどこで野たれ死のうが大して気にもならん人間に勝手な幻影を抱くのもまあ,よくある話だから気にはならない.


問題はその先.
「貴方は尊い存在なのですから,羽を伸ばされたいお気持ちも分かるが、自ずとご留意なさるべきこともあるのではないだろうか」
・・・存在ですか.見ず知らずの他人,自分たちに何をしたわけでもない他人を説教するのにそいつの人生でもなく,職業でもなく,同族意識ですらないこんな理由を持ち出すのが我々という集団なのだ.

Aの感情も信条も関係ない,
「あなたは敬われるべき存在なのです」
この一言で我々は人の人生に踏み込むに足るとしているのだ.一言の反論も許さず,たかが一人相手に集団で慇懃無礼に踏み込み,その人生を変える事を是とするのが我々なのだ.


極めて不快なものを見た.今後この件に関して,自分が日本人である事を恥とする.