道迷いの繰り言 その続き

旧 道迷いの繰り言 移行作業のみ実施

 勇敢なる同志児童諸君、恐れず告発せよ!

我ながら煽りすぎな見出しだなあ。

みんな大好き熱血先生。(Something Orange :管理人 海燕さん)を読んで知ったのだが、


京都の市立小で、熱血先生がクラスメートをからかった一部児童の行動をうけ、からかわなかった児童もそれを黙認したとしてクラス全員を平手うちしたそうだ。先生は3日の謹慎処分の後、辞表を提出したが

ところが、寛大な処分を求める署名運動が保護者の間で始まり、全校の児童191人の保護者ほぼ全員分の署名が学校に提出された。

 その後、教諭が二度と体罰をしない意思を示したため、校長は辞表を返却。謹慎処分が解けた8日、うつむいてわびる教諭に、児童たちも泣きながら「私たちが悪かった」と謝ったという。


[http://megalodon.jp/?url=http://www.sankei-kansai.com/01_syakai/sya060903.htm&date=20070609120759
=産経新聞記事(ウェブ魚拓)]

との事。


まあ、この一件が謹慎処分はともかく、辞表まで書かねばいけない状況なのかは微妙に思う。それゆえ慰留の署名運動になるのは分からないでもない。また、この先生に問題に取り組む熱意があったことは間違いなかろうが、このやり方はまずすぎる。


不謹慎ながら、督戦隊を連想した。前線の友軍部隊を、逃げる臆病者を射殺する事で応援(脅迫)するアレである。目の前の嫌がらせを放置すれば後ろの赤軍将校じゃなかった熱血先生からビンタが飛んでくる状況。私の生徒に怯懦は許されない、勇気を以って告発せよ!!


いじめという同調圧力の最たる例を阻止するのに、「黙認すれば罰せられる」という同調圧力を使ってどうするのか。下手をすれば、嫌がらせを受けている生徒にクラス中が沈黙を強要するとか、どこかの企業よろしく不祥事の隠蔽に走るとか、そんな状況にもなりかねない。


まあ、辞表覚悟で生徒に自分の主張を伝えようとする熱血先生が、同調圧力を掛ける目的でこんなことをしたとは考えにくいのも事実。「体罰をしてでも勇気の大切さを伝えたい」とでも考えていたんじゃなかろうかとは思う。そして素直で頭のいい子供であればそのメッセージは伝わるかもしれない。
が、何をしたわけでもないのに頬を張られてそんな事を思える天使みたいな子供が何人いるというのか。


大人社会に督戦隊をいれた所で、個人の勇気など養えない。それが小学校のクラスだと通用するとどうして思えるのか。それとも、子供相手なら後ろから撃ってやれば勇気が湧いてくるというのが世間の常識なのだろうか。